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お店の新着情報から知っておきたい、お墓情報をお届けします
ご覧いただきありがとうございます。株式会社ムラカミ石材、事務員の原です。
ムラカミ石材に就職する前に働いていた職場で、神棚に飾る榊を買ってきてと、お使いを頼まれたことがありました。当時は知識が全く無く、榊としきびの2種類があるなんて知りもせず、とりあえず榊っぽいものを購入し、職場に戻ると榊だと思って購入したものが実はしきびでした。その時に初めて神様には榊、仏様にはしきびを飾ると初めて知りました。当時は、お使いを失敗してしまったことよりも、榊としきびの違いすら知らなかった自分が情けなく恥ずかしかった苦い思い出があります。
そんな私がしっかりとしきびについて調べましたので、今日は、しきびについてお話しさせて下さい。
しきびは、マツブサ科シキミ属に分類される植物です。高さ10m程度に成長します。3〜4月頃には、淡黄色の花を咲かせます。ご存知だとは思いますが、厚みがあり、ゆるやかに波打つ葉の形をしています。花言葉は、「援助」「甘い誘惑」「猛毒」です。花言葉の通りしきびは全ての部分において毒を持っています。小さなお子様やペットの誤飲には注意が必要です。
漢字では「樒」と書き、本来では「しきみ」と読まれていましたが、訛りで「しきび」と読み方も広まっており、どちらの表記も見られるようになっています。ですので、どちらの読み方でも正しいです。
〇悪霊よけとして
しきびの放つ強い香りは、悪霊をよけるものだという言い伝えがあります。現代のようにドライアイスがない時代、亡くなってから埋葬するまでのご遺体の死臭を消すことが出来るのは唯一、しきびだけでした。その為、死の香りを消すしきびには、悪霊からご遺体を守り、悪いものをよける力があると信じられてきました。
〇土葬時代の名残
土葬だった時代では、野良犬や狼などにお墓を荒らされる事も多くありました。そこで、強い香りと毒を持つしきびを供えるようになりました。土葬の習慣の時代には動物をよけるのにちょうどよかったのでしょう。
〇虫よけとして
しきびの強い香りに含まれている成分の中には、サフロールという虫よけの成分も含まれています。このサフロールは、現代でもノミや、ダニ用の殺虫剤に使われており、その有効性が認められています。なので、しきびをお墓参りでお供えするのは、お墓を害虫で汚さないためにも非常に良いとされています。
四季を通して美しい緑色を保っていることから「四季美」となり、なまって「しきみ・しきび」になった説があります。
他には、果実が強い毒を持つことから「悪しき実」が由来となった説や、実が敷き詰められるようになることから「敷き実」と呼ばれるようになり、樒になったという説があります。
しきびと榊の違いは、仏教か神道かにより変わってきます。しきびは亡くなった方への供養として、また仏様へのお供えとして使用されます。一方榊は、神棚へのお供え、地鎮祭、上棟祭、神式の葬儀、神式の結婚式などにも利用されます。地域や宗派によって異なりますが、基本的にはこのように分けて使用されます。
しきびと榊は非常に似ていますが、真逆の用途で使われるので、注意が必要です。しきびについての知識が身につくと、お墓参りをいつもとは違った気持ちで行うことが出来るかもしれませんね。
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